2019年8月6日火曜日

墨アニメーションの作り方-2

2012年制作の「おひるね」という1分のアニメーションで説明していきます。
フルバージョンはyoutubeでご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=xY7yfjXTVeM&t=3s



1)アイディア、イメージイラスト

当時我が家で飼っていた黒柴がモデルです。

その子がテラスで寝ていたところ
桜の花びらが風に飛ばされてきて
何枚か体の上に乗っていました。

その様子がとても綺麗で気持ちよかったので
その光景を描いたものです。

ふわふわした黒い犬の毛の上の
小さな桜の花びらを可愛らしく描きたいなと。

最初のイメージイラストがこちら



2)絵コンテ
この作品は1分くらいのワンシーンのアニメーションなので特別絵コンテは書きませんでした。


3)作画
基本は鉛筆で動画用紙に手描きです。

・まず寝ている犬のレイアウト


・この絵を基本に、犬、桜の花びら、花びらの影、桜の木の影を別々の紙に描いていきます。

・桜の花びらの場合
飛ばされてくる桜の花びらの動きの軌跡を入れます。


・花びらの動きをつけていきます。
番号は花びらが動き出す順番です。
風は(画面の)右から左へと吹いてくる設定なので一番右側が最初に動き出します。
一枚づつ丁寧にパラパラと動きをつけましたが
どういうふうに飛ばされていくのか、考えるのはとても楽しいです。


出来上がった動画用紙をスキャナーで取り込み、
アフターエフェクトで桜の花びらの動きのチェック。
こんな感じです。



4)墨仕上げ
動きができたら墨仕上げします。

・A4サイズに裁断した和紙や画仙紙をタップ用の穴あけパンチでタップ穴をつくります

・トレース台で動画用紙を写して和紙に墨で描いていきます。

・和紙にはそれぞれ滲みやすいものや滲みにくいものなど、特性があるので描きたいものに合わせて描いていきます。

 ・寝ている犬は滲みにくい和紙にしました。
滲みが強いと画面が動きすぎてしまって
眠っている感じが出にくいので、
小さめに丁寧に描いて、質感が出せるように拡大して
使っています。




・桜の花びらも小さい絵なので丁寧にしっかり描ける紙にしてます。
・部分しか使わない場合は
小さく和紙を切って動画用紙に貼って使います。




・逆に後半のあくびのシーンは
黒柴の毛の柔らかい感じを墨で出せるように
滲みが強い和紙(麻紙)を使って描いてます。



・ラストの桜ちゃんは
滲み具合はちょうど中間の画仙紙を使ってます。
細い線をしっかり描きたかったのと
ピンク色をふわっとつけたかったので。




和紙は3種類使っていますが
墨は1種類です。
色は透明水彩でつけています。

仕上げが終わったら
次からはPCでの作業になります。

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